自問自答する看護の日々

 

ナースフル私は今、精神科の看護師です。

 

 

ですが看護師になる前は、精神科に勤務することは考えてみたことがありませんでした。しかし病院に就職した際に、とある利用者さんに出会いある経験をしたのです。

 

 

その利用者さんに会ったのは精神科の認知症の病棟です。精神科に長く入院することになってもなかなか改善することができず、病院内の中でも高齢で割と状態が安定していらっしゃる方たちの病棟に移されるのです。

 

 

精神科に長く入院されている利用者さんの中にはもう家族や兄弟もなくなり、病院に見舞ってくれる人もなく他の利用者さんたちと手を取り合って暮らしている方たちがいらっしゃいます。彼女はその中の一人でした。

 

 

90歳を超えていらっしゃるのですが、足腰はしっかりしていて、歩いて詰所の前までいつもいらっしゃるのです。彼女はいつもお昼の3時前ごろになるときまって詰所にある公衆電話までいらっしゃり、家族に電話をかけたいとおっしゃるのです。そして、ツーツーと鳴っている電話に向かって楽しそうにおしゃべりをした後、「ありがとね〜」と談話室の方に行ってしまうのです。

 

 

そのころの私は若かったせいもあるかもしれませんが、看護・介護をする以外に何もしてあげられない自分をひどく嘆きました。何か新しいことをしてあげたいと思っても、精神科の患者さんには逆に負担になることも多かったりするのです。

 

 

今でもあの利用者さんのことは思い出すことがあります。あのときは私にできることは毎日を見守っていくことだけでしたが、少しは役に立てたのだろうかといつも自分に自問自答してしまいます。